今、世界のコレクターや学芸員が最も注目している日本人アーティストの一人が、大西茂(1928-1994)です。
数学者でありながら、1950年代に独創的な多重露光写真や絵画を展開した大西。長らく忘れ去られた存在でしたが、近年欧米の美術館で再評価の機運が急速に高まり、満を持して東京ステーションギャラリーで大規模回顧展が開催されます。
見どころ:トポロジー(位相数学)とアートの融合
大西茂の最大の特徴は、その「数学的まなざし」にあります。数学の研究テーマであったトポロジー(位相数学)の概念を、写真という平面メディアに持ち込みました。ネガを重ね合わせ、あえて薬品で変色させるなど、意図と偶然が交錯する彼の作品は、当時の「シュルレアリスム」や「アヴァンギャルド」という枠組みだけでは説明できない異次元の美しさを放っています。本展では、写真作品だけでなく、未発表のドローイングや絵画も網羅。彼がいかにして世界の「形」を捉えようとしたのか、その思考のプロセスに迫ります。
会場:東京ステーションギャラリーの魅力
重要文化財である東京駅丸の内駅舎内にあるこの美術館は、レンガ壁の展示室が最大の特徴です。大西のモノクロームで奥行きのある写真作品と、歴史を感じさせるレンガの質感が、どのような化学反応を起こすのか。建築とアートの対話も楽しみの一つです。
開催概要
• 会場: 東京ステーションギャラリー
• 会期: 2026年1月31日(土) 〜 3月29日(日)
• 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)
• 観覧料: 一般 1,300円 / 高校・大学生 1,100円
• 公式サイト: https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202601_onishi.html

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